第二回 ADRENIX(Kids) オンライントレーニング

特別講師:格闘メディカルアドバイザー 丹羽健二先生
■ 実戦を支える「身体の科学」と「心の整え方」
ADRENIX(Kids)の第二回オンラインレッスンでは、
フルコンタクト空手世界大会など、数々の格闘技試合においてメディカルアドバイザー経験を持ち、RIZIN出場選手をはじめ多くのトップファイターを支えてきた 丹羽健二先生 を特別講師に迎えました。
格闘技と医療の両視点から、新極真空手の試合を控えたADRENIXの生徒(10歳)に、「勝つための身体操作」 と 「折れないメンタルの作り方」 をテーマにした、極めて実践的なトレーニングが展開されました。
■ プレッシャーを味方にする思考法
丹羽先生が冒頭で語られたのは、「不安をどう扱うか」というメンタルの根幹でした。
「どんなチャンピオンでも、試合前は怖い。
でも、“怖い”と感じるのは、全力で向き合おうとしている証拠。
そのエネルギーを“楽しむ”方向に変えられるかが勝負。」
目標を「勝たなければ」から「楽しんで挑もう」に変えることで、
身体はリラックスし、反応速度や判断力も上がる。
トップアスリートが実践している『メンタルの切り替え技術』が、明快に語られました。
■ 「重力」と「脱力」を使いこなす身体操作
後半では、戦闘動作の土台となる身体メカニズムを実演。
肩甲骨・股関節・骨盤の連動を通して、重力を味方にした動き方を体感しました。
「力を抜いた瞬間に、最も強く・速く動ける。
人間の体は“力を入れる”より、“抜く”ことで力を伝える。」
ワンツーやストレートといった基本動作を分解し、重心の位置、踏み込みのタイミング、指先の方向までを一つひとつ修正。
“筋力ではなく構造”で動くという発想が、俳優やアクションパフォーマーにとっても大きな学びとなりました。
■ 左のパンチを強くするメカニズム
参加者からの質問「左のパンチが弱い」に対しては、丹羽先生が即興でフォーム指導。
「原因は“体重が乗り切れていない”こと。踏み込みと同時に体重を移動させ、ナックルポイントを胸の中心に当てる。肘90度の角度を意識すれば、力が逃げずに伝わる。」
身体の重心をどう移動させるか、その“0.1秒の使い方”にまで踏み込む内容は、まさにアクション俳優・スタントマンを志す人に必要な「身体の精度」そのものでした。
■ 丹羽先生が語る「強さの本質」
「勝つことだけが目的ではない。目の前の試合を通して、“自分を磨く時間”を楽しんでほしい。負けても課題が見えれば、それが次の成長につながる。」
ADRENIXが目指す“心と身体の統合”というテーマを体現するような言葉でした。
■ まとめ:戦うためではなく、表現するために
今回の特別講義を通じて、参加者は「戦う技術」だけでなく、
“自分の身体を自在に操る表現者としての基礎” を学びました。
アクション俳優にとって、技の精度だけでなく、“プレッシャー下で自然体を保つ力”こそが本当の武器。
ADRENIX-αでは今後も、俳優・スタントマンに必要な「身体知」と「精神技術」の両面を磨くプログラムを展開していきます。
🩺 特別講師プロフィール

丹羽 健二(にわ けんじ)
格闘メディカル協会九州本部長
メディカルアドバイザー
フルコンタクト空手世界大会・RIZIN出場選手・K-1出場選手・プロレスラー・アマチュア選手からプロ格闘家のメディカルアドバイザーとして活躍。