【大会レポート】カラテドリームフェスティバル2025

アクションと空手、交差する“リアルと演技”の世界
こんにちは、アクショントレーナーの野口彰宏です。
2025年7月19日・20日に開催された『カラテドリームフェスティバル2025』に足を運んできました。
毎年この大会は、日本全国からトップレベルの選手が集まる、フルコンタクト空手最大級の舞台。拳が語る、体が叫ぶ、そんな熱気に包まれた2日間でした。
しかし、私にとってこの大会は、単なる観戦ではありません。
空手の技の“本質”を学び、アクションにどう活かすかを考えるための最高の“現場”なのです。


空手がアクションに与える影響とは?

私の本業はアクションの現場、そしてそのトレーニングです。
よく聞かれるのが、「アクションと格闘技って、違うんですか?」という質問。
結論から言えば、“目的は違うけど、根本にあるものは共通している”
とくに空手のような武道は、アクション俳優やスタントを志す者にとって、非常に優れた「基礎トレーニング」になります。
今回のドリームフェスティバルでも、多くの選手が放つ突きや蹴りのフォーム、目線、間合い、重心の運び方には、アクションに通じる美しさと説得力がありました。
これが“リアル”の力です。


アクションは“リアルを魅せる技術”である

アクションの世界では、実際に相手を傷つけるわけにはいきません。
でも「痛そうに見える」「迫力がある」「感情が伝わる」ことが必要です。
そのためには、“本物を知っていること”が前提になる。
つまり、空手の実戦を学んでいる俳優ほど、リアリティのあるアクションができるんです。
例えば、今回の大会で見たある中学生の選手。
前蹴りの構えからの踏み込み、突きの瞬間の重心移動、そして技を出した直後の表情――
これらは、アクションシーンのクライマックスにそのまま使えるほどの説得力がありました。
私たちアクションを志す者にとっても、学ぶべきことが山ほどあります。


空手で鍛えられる「集中力」と「自己制御」

もうひとつ特筆すべきは、出場選手の集中力と自己制御の力です。
特に小学生の部門では、試合前に深呼吸を繰り返し、自分を落ち着かせて臨む子どもたちの姿が印象的でした。
これはアクションの現場でも同じで、カメラが回る直前の集中力、そしてNGを出さないための自己制御は不可欠。
空手で養われる「心技体」のバランスは、そのまま俳優やスタントパフォーマーに求められる資質でもあります。


未来のスターは、すでにこの舞台に立っている

今回の大会では、全国から集まった小中高生の活躍も光っていました。
彼らの中には、将来きっと“本物のアクション俳優”になる子が出てくるでしょう。
私は、アクションを演じることができる武道家や、リアリティのあるアクションを演じられる俳優がもっと増えていってほしいと願っています。
だからこそ、こうした大会に足を運び、“技”と“心”の融合を肌で感じることが、未来への一歩になると信じています。


最後に

カラテドリームフェスティバル2025は、ただの「試合の集まり」ではありませんでした。
そこには、努力の結晶があり、心のぶつかり合いがあり、そして未来を切り拓くエネルギーが満ちていました。
アクションを志す方、空手を学ぶ子どもたち、そして保護者の皆さま。
この大会をきっかけに、“本物の技”を知ること、磨くこと、そして表現することの大切さを感じていただければ嬉しいです。
それでは、また次の現場でお会いしましょう。
押忍!🥋

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